介護の専門性を高める

家族の負担が倍増しています

最近では介護に疲弊しきっている家族が増えていてどうにもならなくなってしまった結果家族が介護をしていた人を殺してしまう殺人事件も珍しくなくなってきています。
介護と言っても様々な種類がありますが、特に認知症になってしまうと介護が大変で家族ばかりか特別養護老人ホームなどの介護施設でさえも認知症の人の受け入れを嫌がる傾向があります。

現在では精神科の病院でも認知症患者を受け入れていて、認知症患者も増え続けている中で今まで以上に介護の専門性を高めていく必要があります。
今すぐにでも介護の専門性を高めていかなければ今後多くの「身体拘束」の問題が今まで以上に表面化して事故や事件が増えていくことが予想されます。

身体拘束の問題点

介護を必要とする認知症患者の身体拘束はある程度はやむを得ないとして多少は許されてきた部分もありました。
しかし行き過ぎた身体拘束も目立つようになりニュースなどで介護施設の現状を目の当たりにした人も多いはずです。

認知症は予想外の行動をしてしまうために従来の介護施設のやり方であれば入所者を縛ったり柵で囲んで行動を制限するのが当たり前でした。
しかし身体拘束は虐待行為になりかねない深刻な問題でもありますので、この問題を解決していくには今まで以上に介護の専門性を高めていかなければいけません。

問題点を考える

継続的な身体拘束は虐待に繋がるだけでなく入所者を肉体的にも精神的にもダメージを与えてしまうことになります。
そうならないためにも国が法律を改正して、認知症の入所者や介護施設で働く人達がお互いを理解しあえることが重要です。

認知症患者を身体拘束をしてしまう一番の原因は入所者が言うことを聞かないからではなくて、現実問題として人手不足や支援技術の乏しさが原因だと言われています。
さらに都会では民間のマンションなどに認知症患者を受け入れてヘルパーを派遣する手段が取られているために外部のチェックの目が届きにくい問題もあります。

このような問題点を国が積極的に洗い出して解決していかなければ、いつまで経ってもこの現状は変わりません。
国と介護施設が一体となって問題点を議論し、どの場面でどのような専門性の方法や人材が必要かを真剣に議論しなければいけません。
認知症患者の問題点は難しいものがありますが、また悲しい事件や事故が起こってしまう前に早急に考えなければいけない問題点なのです。

介護しやすい環境を整える

専門性が高い介護をして受ける人には満足してもらい、介護をする人は今まで以上に負担を減らすことを考えた上で介護をしやすい環境を作っていくことが重要です。
何も考えないまま専門性だけを追求していっても、受ける側も理解できないことも出てきますし、介護をする人も負担が増えてしまうだけです。
そうならないためにも介護をしやすい環境を整えて提供してあげることが重要になります。

高齢者虐待の実態

今後日本では増えることが予想されます

高齢化社会が問題視されている中で、ニュースでも高齢者の虐待問題を取り上げる機会が増えています。
今後更に高齢化社会が加速していけば老人ホームや自宅での虐待が常習化される恐れもあります。

それを防ぐために2006年には法律が改正されて高齢者虐待防止法が施行されたのです。
法律を改正しなければいけないほど虐待問題が多いということになります。

今まではマスコミも取り上げることが少なかったので表沙汰になることが少なかっただけなのです。
今後はマスコミも多くの問題を取り上げる可能性がありますので、様々な痛々しい実態が浮かび上がってくることが予想されます。

老人ホームでの虐待問題

虐待問題がニュースになることが増えてきましたが老人ホームの虐待が多いです。
介護の職種はストレスが溜まる仕事なので、その矛先が入所者に向けられることが多いです。

どのような虐待が行われているのかというと、入所している高齢者がお風呂で熱湯をかけられたり、爪を剥がされたり、言葉での暴力を受ける虐待が起こっています。
別のスタッフが見つけてすぐに対応すれば解決することもありますが、誰も見ていないところで虐待が常習化されている施設もあります。

在宅介護での虐待問題

老人ホームだと別のスタッフが見つけてすぐに問題が発覚しますが、虐待が発覚しにくいのが在宅介護です。
訪問する介護や通所介護などの在宅介護は少人数のスタッフで対応しますので、家族以外の人間が高齢者に接することが少ない欠点があります。
家族以外の目が向けられることが少ないのでとても危険な状態に晒されることになります。

誰も見ていないことを良いことに殴る蹴るの身体的虐待や暴言や侮辱などの心理的な虐待などが横行しています。
さらに最近では性的な虐待も増えていていますし、勝手にお金を使う経済的虐待や介護を放棄する問題もあります。

家族が介護するとどうなるか?

もし介護施設の職員ではなくて家族が自宅で介護した場合、もっと悪質な症例も報告されています。
家族が介護すると介護の状況が表沙汰になることが少ないので、激しい虐待が行われていることが多いです。

痣や骨折は当たり前で排泄物などの処理もしなかったりと肉体的、精神的に追い込まれてしまいます。
家族が介護をすると発見されるのが遅くなってしまう実態があり、この問題をどのように解決していくか国が中心となって取り組んでいます。

早期に解決しなければ、今後も虐待の犠牲者になってしまう人が増えてしまう危険性があります。
それを防ぐためにも全国的に急増している虐待問題について、国を中心として早急に考えなければいけない問題なのです。