コミュニケーションの大切さ

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どのような仕事をしていたとしても、コミュニケーションは必須です。
製造業の技術屋でも、営業で物を販売するにしても、接客業でお客さんと接するにしても必要であり、それは介護現場でも例外ではありません。

また、コミュニケーションには種類があります。
例えば上司と話す時にはそれなりの話し方がありますし、同僚と話す場合には表現を少し変えて相手に与える印象を少しずつ変えていきます。
介護現場では高齢者と接する機会が増えますので、高齢者に対するコミュニケーションの方法を用いなければなりません。

相手を敬う

敬語は日常生活でよく使われますが、形式的に使っている人も多いかと思います。
友人に話かけるようにフランクに話したいけれども、相手と自分に立場が存在しますし、それをごまかすために使っている人が多いのではないでしょうか。
ですが高齢者相手には、そういった小細工はあまり通用しません。

物事の考え方まで一貫性があり、心の底から敬わなければすぐに行為や態度などでぼろが出てしまいます。

高齢者の方々にはこれまで長い間生き抜いてきた自信やプライドがあります。
そしてこのプライドこそが、高齢者とコミュニケーションを取る上で一番の難点となってしまうのです。
いかに高齢者の方々が持っているプライドを傷つけることなく、意思疎通を図るのか、介護の仕事をする上で最も重要なのはこの1点につきます。

自立性を尊重する

身体の機能が低下してはいますが、尊厳を持った高齢者は多いです。
例えば立ち上がるのに人の手を借りなければならない程足腰が弱っている場合でも、介助を受けることなく立ち上がりたいという本心を持っている人がいるとします。
この時、介護する側はどのように接したら良いのでしょうか。

正解は、可能な限り自分の力で立ち上がってもらい、限界だと感じたら手を差し伸べることです。
限界であるかどうかの判断は介護している人個人の裁量によって決まりますが、この感覚が両者の間で一致した時に限り、最高のコミュニケーションが発生するのではないのでしょうか。

しかし、中には最初から手を差し伸べてもらいたいと思っている人もいらっしゃいますので、この方法だけが正解であるとは限りません。

また、この例の他にも、可能な限り自分のことは自分でこなしたいと思っている人は少なくありません。
介護する人の行為が、本人にとってお世話をしてもらっているような行為なのか、それともお節介だと感じるような行為なのかは高齢者個人の考え方によって変化します。
自身の自立性を尊重するためには、本人とよく話し、相手の気持ちをくみ取って、その人がどのような考え方をしているのかを吟味しなければならないのです。
コミュニケーションは介護を円滑にするためには、本人を良く知ることにつながりますので非常に重要なのです。

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