介護職を志すには

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今までいくつかの老人ホームを転々と渡り歩いて来ましたが、
どの老人ホームでも一概に言えることは同じです。
それは「どこに行っても楽な老人ホームはない」ということです。

少しシビアな話になるかもしれませんが、
介護職は楽しいお仕事ではあれど、決して楽で簡単な仕事ではありません。
しいて言うならば、楽しいけれど大変な仕事というべきでしょうか。

もちろん、専門性を問われるお仕事なので職務も生半可なものではないことを
あらかじめ明記しておきたいですね。ですので今人気の仕事だからという理由だけで
介護士を目指すことはあまりオススメ出来ません。

専門職にはどれも同じことが言えますが、軽はずみな理由で資格を取ったとしても、
本当にその資格を活かした職業で仕事をしていけるとは限りません。

介護の実習

私が介護専門学校に通っていたとき「福祉関連の職業が最近増えてきているから、
介護職なら就職しやすいと思って選んだ」という動機で入学した同期の子がいました。
確かにその動機は間違っていないかもしれませんが、あまりにも軽率で、
少し落胆した記憶があります。

事実、その子は一年生の間は授業にも参加して単位も取っていましたが、
実習や講習会が本格的に始まった二年生にもなると、ほとんど顔を出さなくなりました。

いくら見習いとは言え、介護の実習はハードで難しいものばかりですし、体力だって必要です。
それに加えて、専門知識や専門用語も覚えないといけないので、大変では言い表せないほど大変です。
その子はきっと、介護職を軽んじていたのではないかと思います。

その子が結局、無事卒業したのかは私には分かりませんが、
きっと仮に介護職に就けたとしても長続きはしないだろうなぁ、と人事ながらに感じました。

私がこの仕事を続ける理由

私も、現に強い目標があって福祉関連の仕事に就くことにしましたが、
時々辛くて逃げ出したくなることだって今までに何度もありました。

それでもこうして今もこの仕事を続けていられるのは、この仕事の中にある楽しさを
知ってしまったからだと思います。老人ホームでなくても、どこの病院でも会社でも民間企業でも
お役所でも、人間関係は必ず出て来るものです。

それは同じ職場で働く人だったり、あるいは自分の顧客だったり、ただ一度きりの出会いだったりと
様々ですが、介護職は人間関係の楽しさを実感出来る仕事だと思っています。

どんな仕事も楽しいことの連続ではありませんが、辛いことの連続というわけでもありません。
お年寄りの方々の朝一番の「おはよう」の言葉を聞くたびに、今日も頑張ろうという気になれます。

もちろん、相手だって人間ですので、いつもにこにこしているわけではりません。
時にはこちらの不備が祟って気を悪くさせてしまったりすることだってあります。

職場に勤め始めた頃は、思わず泣きそうになってしまいましたが、
相手と仲良くなれるきっかけと思って、根気良く接しました。気をつけるべきは、
ひたすらに相手の気持ちを思いやること。そうすれば、きっと相手の方も心を開いてくれると、
最初に私に教えてくれた先輩は言っていました。

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